当サイトの記事は、財務省・造幣局・日本銀行・国税庁など公的機関の情報、田中貴金属工業の公表価格、各買取店の公式情報、Yahoo!知恵袋などの公開された声をもとに編集部が独自に執筆しています。金価格・買取価格は記事執筆日時点の参考値で、日々変わります。
親や祖父母の遺品を片付けていて、10万円金貨が何枚も出てきた。『これ、相続ではどう扱うの?』と戸惑っている方も多いですよね。
父が残した10万円金貨が10枚ありました。相続の時は額面どおり100万円として考えればいいんでしょうか?
そこがいちばん迷うところですよね。相続税法の原則は「時価」なんです。記念金貨の評価の仕方を国税庁がはっきり書いた説明は見つかっていないので、考え方の筋道から見ていきましょう。
結論から言うと、相続した10万円金貨は、相続税法の原則どおり「取得した時の時価」で考えるのが出発点です。具体的な評価額は税務署か税理士に確かめましょう。
この記事では、評価の考え方と、家族での分け方、売る時の進め方を順番にお話しします。
相続した10万円金貨は「時価」で考えるのが原則です
相続税法第22条では、相続などで取得した財産の価額は「当該財産の取得の時における時価」によるとされています。10万円金貨もこの原則から外れる決まりは見当たりません。ただ、記念金貨の評価の方法を個別に書いた国税庁の説明は、財産評価基本通達やタックスアンサーでも見つかりませんでした。
相続税法の条文はe-Gov 相続税法で読むことができます。
もう1つ手がかりになるのが、国税庁の「相続税の申告のしかた」です。
ここでは、家庭用財産や書画骨とうなどは「原則として、類似品の売買価額や専門家の意見などを参考として評価」すると書かれています。
金貨や貴金属の評価を個別に書いた箇所はありませんが、『似たものがいくらで売り買いされているか』を参考にする考え方は読み取れます。
| 手がかり | 書かれていること | 記念金貨への当てはめ |
|---|---|---|
| 相続税法第22条 | 取得の時の時価による | 原則はこれ |
| 相続税の申告のしかた | 家庭用財産などは類似品の売買価額や専門家の意見を参考 | 金貨個別の記述はなし |
| 財産評価基本通達など | 記念金貨の評価方法の記述は見当たらない | 個別の判断は税務署・税理士へ |
『じゃあ、うちの金貨はいくらで計算すればいいの?』という答えは、この表からは出せません。ここは自分で決めず、専門家に聞くところなんです。
相続した日と売る日では金額が違います
もう1つ気をつけたいのが、金の値段は毎日動くということです。
相続税法の原則は「取得の時」の時価なので、相続が起きた時点の話になります。一方、売る時の金額は売る日の値段で決まります。
例えば、相続から1年たってから売ると、その間に金の値段が動いて、売れた金額と相続の時の評価がずれることもあるんです。
| いつの金額か | 何に関わるか | 残しておきたい記録 |
|---|---|---|
| 相続が起きた時 | 相続での財産の評価 | 亡くなった日、その頃の金価格の公表値 |
| 査定を受けた時 | 家族での分け方の物差し | 店の名前、日付、1枚ごとの査定額 |
| 売った時 | 売ったもうけの計算 | 買取明細 |
3つの日付の金額を混ぜて話すと、家族の間で数字が食い違って見えてしまいます。どの日の金額の話なのかを、いつも添えておきましょう。
10枚相続したら100万円扱い?額面と金の目安を比べます
『額面が10万円なんだから、10枚で100万円でしょ?』と思う方もいるはずです。
ただ、10万円金貨は純金でできているので、金としての値打ちが額面を大きく上回っています。
額面で考えると100万円ですが、金として見ると全然違う金額になるんですか?
はい、桁が変わるほど違います。どちらで考えるかで遺産の大きさが変わってしまうので、数字を並べて見てみましょう。
田中貴金属工業が2026年10月20日17:00に公表した金の店頭買取価格22,773円/g(税込)で、10枚の場合を計算してみます。
これは記事執筆日時点の参考値で、金地金の価格です。記念金貨の買取価格そのものでも、相続税の評価額でもありません。
| 10枚の場合 | 額面の合計 | 金の重さで見た目安 |
|---|---|---|
| 御即位10万円金貨(純金30g) | 1,000,000円 | 6,831,900円(22,773円×30g×10枚) |
| 御在位60年10万円金貨(純金20g) | 1,000,000円 | 4,554,600円(22,773円×20g×10枚) |

額面と金の目安では、4倍から7倍ほどの差があります。
相続税がかかるかどうかは、金貨だけでなく、ほかの財産も含めた全体で決まります。金貨の評価の仕方とあわせて、税理士や税務署に相談してみてください。
「額面で100万円だから大した額ではない」と思い込んで、金貨を数に入れずに話を進めてしまうことです。あとで金の値打ちに気づくと、家族のあいだで話がこじれる原因にもなります。
まずは何が何枚あるかを確かめます
分け方や評価の話をする前に、手元の金貨を正確に把握しておきましょう。
実は、遺品の中から出てくる記念金貨は10万円金貨だけとは限りません。5万円金貨や1万円金貨が混じっていることもよくあります。
| 金貨 | 額面 | 純金の重さ | 直径 |
|---|---|---|---|
| 天皇陛下御在位60年10万円金貨(昭和61・62年) | 100,000円 | 20.0g | 30.0mm |
| 天皇陛下御即位10万円金貨(平成2年) | 100,000円 | 30.0g | 33.0mm |
| 皇太子殿下御成婚5万円金貨(平成5年) | 50,000円 | 18.0g | 27.0mm |
出典は財務省 記念貨幣一覧です。
ケースや説明書に正式名称が書かれていれば、それがいちばん確実な手がかりになります。
1万円金貨が混じっていた時は
1万円金貨は種類が多く、純金の重さは20gのものと15.6gのものに分かれます。
天皇陛下御在位10年・20年・30年記念と令和の天皇陛下御即位記念は20g・直径28mmで、長野五輪や東京2020などは15.6g・直径26mmです。
額面は1万円でも、金としての目安は20gなら455,460円、15.6gなら約355,259円になります(どちらも22,773円/gで計算)。種類の確かめ方は日本の記念金貨一覧が便利です。
- 金貨の正式名称と年号
- 種類ごとの枚数
- ケース・説明書・箱があるか
- どこに保管されていたか
- 見つけた日と、その場にいた人
長くしまわれていた金貨は、くすんで見えることがあります。ただ、大黒屋の公式ページでは「埃がついてしまったから布で拭き取った」だけでも擦りキズがつくほど繊細な加工だと案内しています。おたからやの公式ページでも、無理に磨いたり薬品で洗ったりせず、そのまま持ち込むことをすすめています。
ケースに入っているものは、ケースから出さずにそのまま枚数を数えるのがいちばん安心です。
ほかの遺品と一緒に出てきた時の進め方は、遺品から出てきた10万円金貨を売る手順で詳しくお話ししています。
相続した金貨は家族でどう分ける?
『枚数がきれいに割り切れない』『1人は手元に残したい』など、分け方で悩む場面は多いですよね。
大きく分けると、次の3つの方法があります。
| 分け方 | 向いている場面 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 金貨のまま枚数で分ける | 種類と枚数が人数で割り切れる | 種類ごとに値打ちが違う |
| 売って現金で分ける | 誰も手元に残す気がない | 誰が売りに行くかを決めておく |
| 1人が受け取り、ほかの人に別の財産で調整 | 1人が記念に残したい | 調整の金額を決める物差しが要る |
金貨のまま分ける時は「種類」に気をつけて
10万円金貨でも、御即位記念は30g、御在位60年記念は20gで、金としての値打ちが違います。
例えば御即位記念と御在位60年記念が1枚ずつあって、2人で1枚ずつ分けるとします。同じ公表価格で計算すると、目安は683,190円と455,460円で、227,730円の差が出ます。
「同じ10万円金貨だから1枚ずつ」で済ませると、あとで差に気づいた時に気まずくなりかねません。
売って現金で分ける時は「誰が売るか」を先に決める
売って分ける方法は、金額がはっきりするので公平に分けやすいのが良いところです。
ただ、売りに行く人は店で本人確認を受け、買取明細を受け取る立場になります。代表で売る人を決め、売ったお金をどう渡すかまで話しておきましょう。
1人が受け取る時は「物差し」をそろえる
『母の形見だから私が持っていたい』ということもありますよね。
その場合は、ほかの家族にどれくらいの財産で調整するかを決める必要があります。物差しとして、額面にするのか、査定額にするのかで金額が大きく変わるんです。
査定を受けて1枚ごとの金額を聞いておくと、家族みんなが同じ数字を見て話せるようになります。
全部売らずに「思い出の1枚」を残す人も
全部を手放すか、全部を残すかの二択で考えなくても大丈夫です。
例えば10枚あるなら、1枚だけ形見として残し、残りを売って分けるという決め方もあります。
『全部売るのは、なんだか申し訳ない』という気持ちがある時は、こうした折り合いのつけ方も話し合いの候補に入れてみてください。
残す1枚を誰が持つかも、あわせて決めておくと後で迷いません。
売る前に家族で決めておくことは?
相続した金貨を売る時にいちばん避けたいのは、「聞いていない」という家族の声です。
- 金貨の種類と枚数のリストを全員で共有する
- 金貨のまま分けるか、売って分けるかを話し合う
- 売るなら、誰が売りに行くかを決める
- 何店で査定を受けるか、いくらなら売るかの目安を決める
- 売ったお金の分け方と、明細の共有のしかたを決める

話し合いの時は、例えばこんな言い方をすると角が立ちにくいですよ。
「金貨は全部で10枚あったよ。金の値段で見るとかなりの金額になるみたいだから、一度査定してもらってから分け方を決めない?」
決めた内容は、メモでもいいので文字にして残しておきましょう。あとで見返せるだけで、行き違いがぐっと減ります。
遠くに住む家族がいる時は
兄弟が離れて暮らしていると、全員で店に行くのはむずかしいですよね。
そんな時は、金貨の写真と枚数のリストを先に送っておき、査定額が出たらその場で連絡するやり方が進めやすいです。
「査定額が出たら、売る前にいったん電話するね」とひとこと伝えておくだけで、任された人も気持ちが楽になります。
相続をきっかけに、売るか持っておくかで家族の意見が分かれることもあります。判断の目安は10万円金貨は売るべきか持っておくべきかでまとめています。
相続した金貨を売る時の進め方
家族の話がまとまったら、いよいよ売る段階です。
『相続した金貨だと、店で何か特別なことを聞かれるの?』と心配になりますよね。基本的には、ふつうに金貨を売る時と同じ流れです。
店で聞かれること・持って行くもの
買取店では、売る人の本人確認があります。
古物営業法では、店が古物を買い受ける時に相手の住所・氏名・職業・年齢を確かめることになっているんです。運転免許証などの身分証を用意しておきましょう。
ケースや説明書、箱がある場合は、査定で見てもらえるように一緒に持って行きます。
詳しい書類は記念金貨の買取の本人確認で確かめられます。
金額は2〜3店で比べる
10万円金貨の1枚の値段は、店ごとにかなり違います。
例えば2026年10月20日更新の公表例では、御即位10万円金貨1枚の買取参考価格が、買取大吉で892,800円、大黒屋で644,000円でした。
どちらが正しいということではなく、店ごとに単価や評価の基準が違うんです。家族で納得して売るためにも、複数の店で金額を聞いてみてください。
銀行で額面に替える方法もあります
『売るのは気が引ける』という家族がいる時は、銀行で額面と引き換える方法もあります。
財務省と日本銀行の説明では、記念貨幣は金融機関の窓口で通常の貨幣と引き換えられます。日本銀行の本店・支店の窓口では、事前の予約をお願いしていて、受付は月〜金曜の9:00〜15:00(祝日・年末年始を除く)です。
ただ、額面は1枚10万円のままです。今は金の目安が額面を大きく上回っているので、家族みんなが差を知ったうえで選ぶようにしましょう。
おたからやのように、店舗数2,080店舗以上(2026年10月時点・公式)の大手で、店頭・出張・LINE査定などから選べて、査定料・鑑定料が無料(公式)の店もあります。遠方の家族と相談しながら進めたい時は、出張やLINE査定も使いやすいですよ。
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記念金貨の査定額を確かめる
10万円金貨・5万円金貨・1万円金貨は、ケースから出したものや傷があるものも査定してもらえます。店頭のほか出張査定やLINE査定も選べるので、当日の金額を聞いてから売るかどうか決めましょう。
査定料無料公式サイトで査定方法を確認する買取価格は日々変わります。最新の価格・条件は公式サイトで確認してください。
売った後は明細を共有する
売ったら、買取明細を家族全員が見られるようにしておきましょう。写真に撮って共有するだけでも十分です。
売ったことでもうけが出た場合の税金は、相続の時の評価とは別の話になります。考え方は10万円金貨を売った時の税金で確かめてみてください。
よくある相談:相続した金貨についての知恵袋の声
知恵袋に寄せられた相談から、相続にかかわるものを3つ取り上げます。
相続した御在位60年記念金貨、金価格が上がった今どうする?
昭和天皇の御在位60年記念金貨を相続し、金の値段が上がっている今どうすればいいか、という相談です。
まず確かめたいのは、相続の手続きの中で金貨をどう扱ったかです。そのうえで、売るか持っておくかは家族の考えで決めて大丈夫です。
売る場合は、素材の目安で1枚455,460円(22,773円×20g)と、額面の10万円を大きく上回ることを知ったうえで、銀行での両替と比べてみてください。
『金の値段が上がっている今のうちに』と焦る気持ちも分かります。ただ、金価格がこの先どう動くかは誰にも分かりません。
売る時期を値動きで決めようとするより、家族の考えがまとまった時を売り時と考えるほうが、あとで後悔しにくいですよ。
子どもに30gの金貨を10枚相続させたら、100万円の扱い?
『額面の合計100万円の相続扱いになるのか』という相談でした。
相続税法の原則は時価です。金の目安では10枚で6,831,900円になり、額面とは大きく違います。
記念金貨の評価の方法を国税庁がはっきり書いた説明は見つかっていないので、どの金額で考えるかは税理士か税務署に確かめるのが確実です。
売りたいけど、住所などを知られるのが怖い
相続した御即位記念の10万円金貨を売りたいけれど、店に個人情報を知られるのが不安、という声もありました。
そう感じるのは自然なことです。
ただ、古物営業法では、店が古物を買い受ける時に相手の住所や氏名などを確かめることになっています。買取店で身分証を求められるのは、こうした手続きのためなんです。
不安な時は、査定の前に「本人確認の書類は何をお見せすればいいですか」と聞いてみると、店の対応も分かって安心できます。
よくある質問
相続した10万円金貨は額面の10万円で評価すればいいですか?
相続税法の原則は取得の時の時価です。記念金貨の評価方法を個別に書いた国税庁の説明は見つかっていないため、どの金額で考えるかは税理士か税務署に確認してください。
相続した金貨を銀行で両替することはできますか?
財務省と日本銀行の説明では、記念貨幣は金融機関の窓口で通常の貨幣と引き換えられます。ただ、今は金としての目安が額面を大きく上回っているので、買取の金額も聞いてから決めるのがおすすめです。
兄弟で枚数が割り切れない時はどうすればいいですか?
売って現金で分けるか、1人が受け取ってほかの財産で調整する方法があります。どちらにしても、査定で1枚ごとの金額を確かめておくと話し合いが進めやすくなります。
相続した金貨を売った時の税金は?
売ってもうけが出た場合は、原則として譲渡所得として考えます。相続した金貨のもうけの計算や持っていた期間の数え方は、税務署で確かめておきましょう。
相続の話し合いが終わる前に売ってもいいですか?
家族の合意がないまま売ると、あとで行き違いのもとになります。少なくとも枚数と売る人、売ったお金の分け方は、売る前に全員で確かめておきましょう。
まとめ
- 相続した10万円金貨は、相続税法の原則どおり取得の時の時価で考えるのが出発点
- 記念金貨の評価方法を個別に書いた国税庁の説明は見つかっていない
- 10枚なら額面100万円に対し、金の目安は30gで6,831,900円
- 分け方は「金貨のまま」「売って現金」「1人が受け取り調整」の3通り
- 売る前に家族で枚数・売る人・分け方を決め、明細を共有する
相続した金貨は、家族の思い出が詰まったものでもあります。全体の流れをもう一度確かめたい方は10万円金貨の買取ガイドもあわせて読んでみてください。







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